オリジナルTシャツは練習時に不可欠! 阿波踊り・東京新のんき連の“祭”にかける想いとは
▲徳島本部の書道家でもある連員による、手書きの連名が印象的なオリジナルTシャツ。
数ある日本の夏の風物詩のひとつ、「阿波踊り」。阿波踊りは本場徳島を中心に、全国各地で踊られています。今回注目したのは、約50年の伝統を持つ徳島の「新のんき連」の流れを汲んで発足した「東京新のんき連」。まもなく10周年を迎える、高円寺を活動拠点としている連です。
阿波踊りの本番は浴衣ですが、東京新のんき連では毎年のようにオリジナルTシャツを作って熱心に練習に励んでいる――と聞きつけ、そのオリジナルTシャツへのこだわりや阿波踊りにかける想いについてお話を伺ってきました。
練習量の多さは随一!「東京新のんき連」誕生の経緯
同連を立ち上げたのは、高円寺ルック商店街出身の笠井連長。幼少期から阿波踊りに親しんでいたそうですが、大人になって離れ40歳になってご夫婦で踊りを再開。そのなかで『新のんき連』に出会って魅了され、月に2〜3度、徳島に通って練習を積む日々が始まりました。
「憧れと負けん気だけで遠征練習を続けてきた」
というご夫婦。2009年になると、東京で前身となる練習グループを立ち上げ、その後、徳島本部からの推奨も受けて「東京新のんき連」として正式に名乗りをあげます。未経験者中心だったこともあり、年間約100日近い練習日を設定。都合の合う日はなるべく参加し、
「とにかくたくさん踊って上達しよう!」
という同連の“練習熱心”な伝統が生まれていきました。
オリジナルTシャツは「よりよい組織作り」にひと役買っています!
▲連長夫妻のTシャツは特注デザイン!新のんき連のモチーフでもある花火の柄です。
現在は、100名近くが在籍。年齢や出身地・仕事も休日も違う人々が集う中で、うまくコミュニケーションを取るにはどうすればいいか。笠井連長は、常に試行錯誤を繰り返してきました。
「全員参加型の連にしたい」
「傍観者を作りたくない」
「誰もが連員だという意識を持てるようにしたい」
そんな想いから、数年前から全員が何かしらの役割を担う「部会制」を採用。通常、阿波踊りの連はトップダウン方式が多く、これはかなり珍しい運営方式。
「連は会社と違って、あくまで自主的な組織。しかし、ある程度のルール徹底は必要です。強制力のない中で、良いコミュニティを作っていくのは簡単ではありません。連帯意識を高めるための取り組みもいろいろとしていますが、オリジナルTシャツを作っているのも、その一環。皆の気持ちを繋ぐことに、ひと役買っていると思いますね」
オフィシャルTシャツを統一カラーに切り替えた理由
2年前、オフィシャルTシャツを一新した東京新のんき連。以前は老若男女がいるし、好みの色も似合う色も異なるはずだという考えから、30色から好きな色を選べるようにしていたそうですが、現在はカラーを1色に統一。他の連と合同で集まる機会も増えてきたことが、色統一の理由です。
「自分たちの連だけならば、カラフルなTシャツで踊るのも賑やかで良かったのですが、東京ドームで開かれる『ふるさと祭』やTV番組に出演する機会も増えてきましてリハーサル中にも、パッと見て同じ連員だと認識できたほうがいいと判断したのです」
最初に作ったのは「白」、そして2作目となる現在は「ブルー」を採用。普段は思い思いのTシャツで練習していますが、公式の場では同一色のオフィシャルTシャツを着用し、統一感を持たせて臨んでいます。
▲現行のオフィシャルTシャツのカラーは「青」。通気性のいいスポーツ向きの素材を採用。
▲旧オフィシャルTシャツは白色。赤字のロゴに胸ワッペンを施したデザイン。
▲旧デザインの愛用者も多数。現在は新規購入できないことから“レア感”が増し、先輩から後輩へおさがりが譲られることもある。
阿波踊りの楽しさ・躍動感を多くの人に知ってほしい!
オリジナルTシャツには、こだわりのある同連。先日、還暦を迎えた連長へのプレゼントとしても、ひとり100円ずつ集めてオリジナルポロシャツを制作し、サプライズで贈りました。
高円寺阿波踊り連協会の役員も務めている笠井蓮長ですが、やはり自身が率いてきた同連への想いはひとしお。
「自分の連には、やっぱり活躍してもらいたいですよね。うちは若いメンバーが多く、スピード感やキレの良さは抜群。設立10年を迎えますが、今後は踊りに“味わい”も加えていきたいですね」
団員からの想いのこもったオリジナルポロを着て、抱負を語ってくださいました!
▲連員たちからサプライズで贈られた、オリジナルの還暦ポロシャツを着てパチリ。
「お祭りで見かけて、とにかく笑顔で楽しそうだったから」
「女性でも、かっこいい“男踊り”ができる連に入りたかったから」
「子どもの頃から憧れていたから」
など、入連の理由は人それぞれ。仕事や転勤・出産や家庭の事情等でやむなく続けられなくなる人もいるものの、必死で予定をやりくりして続ける人もいれば、一度辞めてまた復帰する人も少なくないとか。海外の方や小さなお子さん連れの参加者も見られるのも印象的。
「やっぱり皆、阿波踊り馬鹿というか(笑)、楽しいからだと思いますね」
と副連長の小野本さん。
「体を動かして、それをお客さんに披露して、夏に完全燃焼できる。踊れば踊るほどより高い目標や課題ができ、続けたくなる理由になるのかもしれません。趣味ではありますが、もはや生活の一部。先輩方の連に追いつくように頑張ります!」
と、満点の“阿波踊り愛”を語ってくれました。
▲小さな子どもたちも熱心に練習!
▲種々のオリジナルTシャツを着て、ポーズを取ってくれた東京新のんき連の皆さん。
まだまだ若い連ながらも意識高く、真摯に踊りの上達を目指して励んでいる「東京新のんき連」。地元開催の大本番・高円寺阿波おどりは、毎年8月の週末に開催されています。
今のようなお祭りの後の季節には毎年、たくさんの参加希望者が訪れるそうですが、新人担当の指導者もおり、初心者も大歓迎とのこと。自然に心を躍らせる生の祭囃子が響く中で、オリジナルTシャツも活用しながら一致団結して踊りを極める連員たちの勇姿は必見。阿波踊りや同連に興味が湧いた方はぜひ一度、見学へ訪れてみてはいかがでしょうか?
Interview & Writing & Photo :外山ゆひら
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東京新のんき連
1968年に発足した徳島県阿波踊協会所属の新のんき連の東京支部として、2009年に誕生。新のんき連指導のもと伝統の【のんき調阿波おどり】の流れを汲んでおり、若い連員が多いのも特徴。高円寺を中心に、阿波踊りの活動を行っている。