「海の生活を始めてから、Tシャツしか着なくなった」。“好き”を極めたみつばちサーブの女性店長に聞いた、サーファーライフとTシャツの相思相愛関係

好きなことを仕事にしたい、というのは多くの人の夢。
ネイリストとして数々のチャンピオンに輝き、サーファーとしても活躍する布目純さんは、1つならず2つの夢を叶えた女性です。

「海の生活を始めてから、いっそうTシャツが好きになった」というTシャツ好きな布目さん。
オリジナルTシャツも頻繁に作られているそうで、そのこだわりやサーファーライフの魅力に至るまで、聞かせていただきました。

「ネイルとは違うところへ行ってみたくなった」。第二の人生・サーフィンに飛び込んだ理由

布目さんがネイリストを志したのは21歳のとき。
国内外のコンテストで賞を総なめにし、社内でも要職を任されるように。

しかし15年間慌ただしく走り続けてきたことで、30代後半を迎える頃、徐々に燃え尽き症候群のようになってしまったそうです。

反比例するように虜になったのが、サーフィン。
30歳前から趣味で始め、どんどんのめり込み、海のそばへ引っ越し。
ついには「バリ島でサーフィンをしたい！」と退職し、海外へ。

半年間ほど、思いっきり「波に乗りまくった」のちに帰国。
誘われる形でサーフィンインストラクターになり、持ち前のバイタリティを買われて、38歳で現在の『みつばちサーフ』の店長に就任しました。

「計画的に転職したわけではないんです。ただ好きで仕方なかったサーフィンが仕事になって良かった。私、ツイてますよね（笑）」

サーファーライフに欠かせないTシャツ「オリジナル作りが本当に楽しいです！」

サーファーライフを始めて服も暮らしもシンプルになったそう。

「自炊もよくするようになったし、家でのんびりする時間もできた。必要のない服も買わなくなりましたし、毎日ほぼTシャツばかりです！」

既製品のTシャツをただ着るのはなく、自分でデザインしたワッペンを貼ってみたり、キャラクターTシャツを作ってみたり。
創作好きの血が騒ぎ、「自分で作ったほうがはるかに楽しい！」と、結構な頻度でアレンジTシャツやオリジナルTシャツを作っているそうです。

経営母体が同じ「サクラサーフ」と2店舗合同で開催している恒例イベント「ビーチミーティング」でも、毎年オリジナルTシャツを作成。

実はこのイベント、Tシャツの購入がイベント参加費の代わりというユニークな運営ルールを採用しています。
「参加者皆で同じTシャツを着て、ワイワイしたい！」というシンプルな動機からだそうですが、男性・女性どちらのニーズにも応えられるよう、デザインだけでなく型、シルエット、素材にバリエーションを付けるなどの工夫をされているそうです。

「ビーチミーティング」では海岸にテントを張り、スタッフ＆メンバーで得意の料理を振る舞ったり、真冬のパドルリレーを行ったりするのが毎年の恒例。

スタッフもお客さんも同じイベントTシャツを着て、海を愛する仲間としての親睦を深める機会となっています。

心も大きく変化。「どうにもならないことはある」と海が教えてくれた

―サーフィンは、レジャーでもスポーツでもなく、ライフだー

そんな格言に心底納得するほど、サーフィンの魅力を実感していると布目さん。

「最初はただの好奇心だったのに、やってもやっても終わりのない奥深さを知り、いつのまにかサーフィンが”ライフ”になっていた。ネイリストして猛烈に働いていた頃といろいろ比較してしまうこともありますが、今の暮らしを総括するならば、やっぱり“最高”ということに尽きますね」

と晴れやかな笑顔で語ってくれました。

「昔は、自分で解決できない悩みすら、どうにかなるはずと思い込んでいました。でも自然と付き合っていると、本当にどうにもならないことがあるんだと理解できるようになりましたね。人間関係もそう。行き違いがあっても、『そういうこともあるよね、次回から気をつけよう』くらいに思えるようになったんです」

海が見えるお店のテラスに立っていると、季節の小さな動きを全身で感じられる。

「今日もいい1日だったな」と思える毎日を過ごすなかで、心まで豊かになっている気がする」

と布目さん。

“心の贅沢”を大切にするサーファーライフと健康的に日焼けした肌によく似合うのは、やっぱりシンプルで心地いいTシャツ。サーファーたちの第二のユニフォームのように輝いて見えました！

取材・文・撮影＝外山ゆひら

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