あふれる想いをデザインに込める。Afleruが考えるオリジナルTシャツの魅力とは?
牧師という本業の傍ら、「Afleru(アフレル)」というアーティスト名で活動するよしだやすたかさん。
カラフルなカラーリングと黒人文化の影響を感じさせるポップなイラストが特長で、自身の作品をTシャツやオリジナルアイテムにして発信しています。また、依頼を受けた際にはシャッターや建物の壁にアートを描くなど、アウトプットの方法もさまざま。
「気持ちが込もったモノ、自分と関わりのあるモノを身につけたいと感じたのがはじまりですね」
オリジナルTシャツを作るようになったきっかけをそう語るよしださん。
よしださんにとって、オリジナルTシャツの魅力とは何なのでしょうか?
自分の想い、誰かの想い。あふれる感情をアートで表現する
絵を描きTシャツをデザインするという活動は以前から続けていたものの、それはあくまでプライベートなものだったとよしださん。
転機となったのは2013年。フェイスブックに届いた1通のメールをきっかけにHPを開設し、「Afleru(アフレル)」という名で外に向けて自身の活動を発信するようになったと話します。
「フェイスブックに知らない方からメッセージが届いていたんですよ。メッセージを確認したら、差出人は印刷会社の方で『費用はこちらで持つので、何かやってみませんか』と書かれていました。フェイスブックに自分の作品を色々と載せていたので、興味を持ってくれたんですね。色々と話をしているうちに一緒にやろうという話になって、データを送ってTシャツにするっていう環境を整えてくれたんです」
▲Afleru(アフレル)のHPの一部。
http://afleru.thebase.in/
HP開設以降最大の変化は、人からの依頼も受けるようになったこと。
家族の記念日、子どもの出産祝い、友人同士で開催する運動会用など、さまざまな依頼に合わせてデザインを考え、お客様に届けています。
息をするようにアートを描き、Tシャツを作る。愛らしく優しい「Afleru」Tシャツ
よしださんの絵のルーツは、スプレーを使って自由にイメージを表現するグラフィティ。
ポップ&カラフルなタッチで想いを表現するよしださんの作品からは、独特の愛らしさや優しさを感じます。
Afleru(アフレル)というアーティスト名にしたのは、喜び・悲しみ・愛しさなど、あふれる感情を表現したいという思いがあったから。自分の思い、誰かの思い、心からあふれる感情をアートで表現しています。
▲よしださんの部屋に飾られた作品の一部
息をするようにアートを作り、デザインするのがよしださんのスタイル。時間をかけてひとつの作品を作るのではなく、その日使えるスプレーや画材を使って、その瞬間の想いを描き上げます。
(※ウォールアートなどの大作、依頼された作品つくりは除く)
日課のように描き続けているため、その数は膨大。
これまでに多くのオリジナルTシャツを生み出しました。
よしださんが作るTシャツとは、どのようなものなのか見てみましょう。
・COTOBA T
まずご紹介いただいたのが、独特なフォントデザインで「言葉」を描いたCOTOBA Tです。
「ラップをしている友達がライブで『言葉はゼログラムだけどやばい武器にもなる』みたいな曲を歌っていたんです。それを聞いて『確かに言葉って重さも何もないのに人を守ることもできるし逆に傷つけることもできる。言葉ってすごいな』って感じたのがきっかけで作りました。人の心を傷つける側面・人の心を癒やす側面、両方を描きたいと思ってこのデザインになりました。」
▲独り歩きする負の側面をスニーカーで、癒やしの側面をグッドサインで表現
・SKATEBOARD-LOVE-T-Shirt
続いて、スケボー愛を描いた「SKATEBOARD-LOVE-T-Shirt」。
「数年前にスケボーにはまっていた時期があったんですが、挫折したんですよね(笑)。もっと本気になって練習したいと思う反面、お金とか時間の都合で続けられなかったんです。そのときの感情を表現したのがこのTシャツです。『心折れた……でも好き』っていう想いをスケボーのイラストで表現しました。」
▲折れてバラバラになったスケボーで「LOVE」を表現
ちなみに、こちらのTシャツはスケボーを通じて出会ったご友人との合作。
柔らかくポップなスケボーのイラストは、ご友人が描いたもの。
・Afleru key Tshirt
3枚目は胸の部分に鍵のイラストを描いたシンプルなTシャツ。
鍵っ子だったというご自身の幼少期を回想しているときに思い付いたとのこと。
「鍵って大切やな、落としたらあかんなって漠然と考えていて。『大切な鍵を心に』っていう思いで作った、とてもシンプルなデザインです(笑)。誰の心にも鍵はかかっていて、大人になるとその鍵が閉じる頻度って増えますよね。それも大切やけど、たまには鍵を使って心の扉を開けようぜっていうメッセージも込めています。」
▲刺繍であしらわれた鍵。刺繍をしているご友人が担当
Tシャツの他にも、パーカー・キャップ・写真集・作品集など、アウトプットの形式はさまざま。
Afleru(アフレル)のHPには、随時新しいアイテムが加わっています。
▲Afleru(アフレル)の写真集や作品集の一部
軽やかに人と人をつなぐ、オリジナルTシャツのちから
よしださんは幼少期から絵を描くことにのめり込み、学生・社会人とライフステージを重ねても、絵を描くことだけは変わらずに続けていました。
初めて自分の描いた絵でTシャツを作ったのは、高校時代にまで遡ります。
「自分が着ている服がどんな意図で作られているのかを調べるようになったんですよ。調べてみると、アメリカの大学の名前のTシャツとかパーカーだったり、全然知らない土地の名前だったり、自分と全然関連性がないことに気づいたんですね(笑)。自分とまったく関係ないものを身につけることに違和感を覚えるようになって『どうせ着るなら自分にとって意味のあるものを着たい、だったら自分で作ったらいいやん!』って思ったのが最初でした。」
以来、よしださんは絵を描き、それをTシャツや小物にしながら自分のペースで活動を楽しんでいます。
自分にとって意味のあるデザインに気軽に挑戦できるのは、オリジナルTシャツの魅力のひとつかもしれません。
また、Tシャツを作り、発信することで思いがけないつながりも生まれるとのこと。
▲こちらもスケーターの知り合いのイラストを使ったデザイン。彼がイラストを描いていることを知り、一緒に作ろうと誘ったのがコラボのきっかけ
「自分のアピールになるので、そういう意味で作ってよかったなというのはありますね。そのために作っている訳ではないのですが、憧れのラッパーにTシャツを渡せて一緒にお酒を飲めたり、イベントで知り合いになった人に東京で一緒にポップアップショップやろうよって誘ってもらったり、縁とかつながりができて、人生を豊かにしてくれていると思います。」
誰もが気軽に着られるTシャツ。
受け渡しが気軽にできるからこそ、Tシャツは軽やかに人と人をつなぐツールになるのかもしれません。
建物の壁一面に描くAfleru(アフレル)想い
今後の目標は「大きな建物に作品を描くこと」とよしださん。
グラフィティはそもそも壁に描くのが本来の姿、誰もが見られるような目立つ場所に描いてみたいといいます。
「依頼を受けて、横浜でドイツ人のアーティストと一緒に公園の横にある建物一面に作品を描いたんですが、すごく楽しかったんですよ。ただ、そこは公園に入らないと見えない場所なので、もっと街中の目立つ場所に描くというのが目標ですね。もちろん、それを写真に撮ってTシャツにしたいですね(笑)」
▲ドイツ人のアーティストと合作したjoyjoyparkにあるウォールペイント
街を歩いているとき、壁一面に描かれたアートを見かけたなら、それはAfleru(アフレル)の作品かも。大きな目標を向けて、よしださんは今日もスプレーを片手にキャンパスに向かいます。
世界でたった1つ。
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【取材協力】よしだやすたか「Afleru(アフレル)」
グラフィティに影響を受けたカラフルでポップな作品を多数作成。Tシャツ・キャップ・スニーカーの他、さまざまなアイテムに自身のアートを乗せて発表している。HPでは、デザインの依頼も受け付けており、独自のタッチが人気を集めている。本業は牧師。最近では「奈良ふぃるむ倶楽部」を立ち上げ、写真家としても活動中。
URL:http://afleru.thebase.in/