ママだって大爆笑したい!ピンクTシャツがトレードマーク「くさつ未来プロジェクト」が紡ぐ人と人のつながり
「子どもを抱く手はいくつあってもいい」――
滋賀県草津市でNPO法人くさつ未来プロジェクトの代表を務める堀江尚子さん。
堀江さんは子育てで苦しい思いをした自身の経験で感じた「赤ちゃんとママの居場所作りたい」という思いを叶えるために、草津市を大きく巻き込んで活動をしています。
活動時のトレードマークは、ピンクのオリジナルTシャツ!クローゼットには他にもいろいろな種類のオリジナルTシャツがあるのだとか。「なぜそこまでオリジナルTシャツにこだわるのか?」をお聞きました。
「ママが大爆笑できるような場所を」という思いが始まり
――まずは堀江さんのご経歴と現在の活動内容をお聞かせください。
堀江:私は平成15年、結婚を機に滋賀にきました。年子の男の子が生まれたんですが、子どもたちを連れていくところーー要するに居場所が全くなくて。そんな自分自身や周りのサポートにもなればと、ママと赤ちゃんの居場所のために、平成19年3月に英語育児サークルを作りました。
行政がやっている育児サークルにも行ったことがあるんですけどあまり面白くなくて……「ママが笑顔になる」とかいうレベルではなくて、「大爆笑する!」みたいな場所を作りたかったんです。
サークルが次第に大きくなっていって、平成28年8月にNPOとして立ち上げたのが「くさつ未来プロジェクト」です。NPOを立ち上げたときにピンクのオリジナルTシャツも一緒に作って。今では、トレードマークになってます。
――育児サークルがそんなに大きくなった理由はなんですか?
堀江:需要が高かったんですよね。草津にいるママは、他の場所から嫁いできた知り合いのいない=私のような人が多かったんです。最初は週1回ではじめたのが、だんだんと回数が増えて、毎日やっても定員が埋まってしまう状態で。どんどん大きくなっていきました。仕事をしている人は会社という居場所があるけど、専業主婦は社会的な所属場所がないので、そこをきちんと作りたいという思いが強かったんです。今は「子どもを抱っこする手は何本あってもいい」をテーマに、みんなでつながり、地域で子育てをしていく活動をしています。
ピンクのTシャツ効果で、“挨拶なし”から“ハイタッチ”に!
――くさつ未来プロジェクトでは、ピンクのオリジナルTシャツをみなさんで着ていると聞きました。なぜピンクにしたんですか?
堀江:それが一番テンションがあがるんです(笑)。ぱっと見たときに一番わくわくする。最初みんな「えっ、ピンク?」みたいな顔をするんだけど、意外とみんなが好きな色でもあるんですよね。パパに着せたりしても意外に似合う。それにピンクはひとりでは着れない色なんですよ。みんなで着るとテンションがあがるし、目立つし、最高のアイテムですね。実は私はPTAの会長もやっているんですけど、そこでもPTA全員でピンクのTシャツを着ています。みんな自腹で買いました(笑)。
――Tシャツによってテンションがあがったエピソードがあったらお聞きしたいです。
堀江:PTA活動のほうのエピソードなのですが、通学路の交通安全の整理をショッキングピンクのTシャツをお揃いで着てやってみました。20人の大人たちがショッキングピンクのTシャツで立ってると、「どしたん?」って子ども達が声をかけてくるんです(笑)。私服でやってたときは、子ども達はだれも挨拶してくれなかったんですよね。大人から「おはよう」って言っても、無視(笑)。
だからあるとき、「よし!みんなでピンクTシャツを着て立とう!」ってやってみたんです。おかげで、最近はハイタッチと「おはよう!」という元気な声で返してくれるようになりました。
――PTAでTシャツを作るのは珍しいですね。
堀江:一体感が生まれるし盛り上がるので、私のなかでは絶対に外せないアイテムです。あとは周りの保護者や地域の方から見ても「あの人たちがPTAなんだ」ってわかりやすい。「困ったことがあったらピンクの人に言ってね」と声をかけています。知り合いがいない人が入ってきても、輪に入りやすいというメリットあります。
「今のあなたでOK!」胸元にデザインした虹がそう教えてくれる
――他にもオリジナルTシャツを使ったイベントをやられているそうですね。
堀江:くさつ未来プロジェクトのコーラスサークル「COLORS」では、子どもはブルー・大人はピンクのTシャツを着て舞台にたっています。「虹」という歌に、手話をつけて歌いました。写真の子ども達は無地Tシャツを着ていますが、ちょうど今、虹と琵琶湖がついているオリジナルデザインでTシャツを作っているんです。もうすぐ出来上がる予定です。
――そういえば、くさつ未来プロジェクトのオリジナルTシャツにも「虹」がデザインされていますね。これにはどんな意味があるんでしょうか?
堀江:私が虹が大好きだからです。次男の名前も「虹斗」と書いて「ななと」と名付けました。「虹を見たらそこに神様がいると思いなさい」っていう言い伝えを信じているんです(笑)。虹を見たら「今のあなたでOK!」って言われている気がするんですよね。
滋賀県は「虹の国」っていうキャッチコピーを出すくらいに、琵琶湖にきれいに虹がよくかかるんですよ。そういった土地の魅力も込めています。
また、私は人と人をつなぎたいと思っています。虹は人と人をつなぐ「架け橋」みたいな意味もある気がするので、この活動にぴったりだなと。
実は今、くさつ未来プロジェクトのTシャツデザインをリニューアルする話がでてるんですけど、虹のモチーフは絶対に入れようと思っています。
子育てはみんなでするもの。もっと周りを頼っていい!
――今後はどのようなことを発信していきたいですか?
堀江:「もっと自信を持っていいよ!」「今の自分のままでいいよ!」ということを、ママ達に伝えていきたいですね。勉強ができるとか料理がうまいとか関係なくて。子育てを自分達だけで背負ってる人が多いけど、そもそも夫婦ふたりだけでできるものじゃないんです。だから手放して、周りを頼って欲しい。そのためには人がつながらないといけないので、その架け橋になれるイベントをこれからも手掛けていきたいです。どのイベントにもオリジナルTシャツは必須です!
取材・文:上野郁美
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【取材協力】堀江尚子さん
くさつ未来プロジェクト代表理事。熊本出身。
草津に嫁ぎ、一人で行う育児を通してくさつ未来プロジェクトを設立。
平成28年度内閣府チャイルドユースサポート章、子育て・家族支援部受章。現在は中2、中1、小4の3人の息子を持つ。