フランス流・Tシャツ着こなし術と人生を楽しむ秘訣って？語学番組で人気のモデルに聞いてみた

フランス人はおしゃれな着こなしが得意で、恋愛や人生を謳歌している人が多い――

そんな憧れとイメージを大いに満たしてくれた、人気のNHKフランス語番組『旅するフランス語』。

そのセカンドシーズンで常盤貴子さんと共に旅をしていたのが今回取材する、日本在住のフランス人モデル、アルノ・ル・ギャルさんです。番組で、自前の白シャツやフレンチシックなボーダーロングTなどを素敵に着こなしていたアルノさんに、フランス流のTシャツ着こなし術や人生を楽しむ秘訣などについて、詳しく伺ってきました！

着込んだTシャツも、味があって素敵じゃない？

—フランス人はあまり流行を追いかけないって本当ですか？

ルギャルさん：そうだね、フランスでは“自分らしいこと”が一番大事だから。自分が気に入った服を長く大事に着ていく人が多いと思うな。Tシャツも気に入れば、10年でも15年でも着るよ。特別大事に扱っている、というわけではないけれどね。その辺にポイっとしちゃうし（笑）。でもやっぱり長くは着るね。

—長く着ていると、洋服もくたびれてしまいませんか？

ルギャルさん：それも含めて、味や雰囲気になると思うけどな。このTシャツ（トップの写真）も相当長く着ているよ。パンツも8年くらい履いてるから色も褪せてきているけど僕は気にならない。でも日本の服は、安くても本当にしっかりしているよね。念入りにテストをして製品化しているんだろうな、と感心させられる。

—お気に入りのアイテムや好きなブランドは？

ルギャルさん：着て気持ちいい素材かどうかは、かなり気にして選ぶかな。買ってからワンポイント刺繍を入れてもらうとか、シンプルな服やTシャツでも、そういうオリジナルポイントが作れるだけでお気に入りになるよね。

（たくさんの衣装を身につけるアルノさん。「これが一番簡単なフィッティング法！」とおちゃめな姿）

日本に長く住んで思うこと。人生を謳歌するには？

（多彩な変身っぷり。ドラマ、映画、MVなどにも多数出演されています）

――フランスには大人としての人生を謳歌している人が多いイメージですが、両国で違いを感じることはありますか？

ルギャルさん：フランスは他人に迷惑をかけさえしなければ、個人個人が自由に行動していい国。それで時々ぶつかることもあるけどね。でも日本の人は迷惑をかけないようにしすぎてて、「迷惑をかけないことしか考えていないのかな？」とたまに不思議に思うこともある。

（「自分らしく生きること＝成功した人生」という概念が、生きやすい社会を生む!?）

ルギャルさん：成功の定義も結構違うと思うな。フランスは『自分らしく生きられる＝成功した人生』と考える人が多いけど、日本は『お金を稼げた人生＝成功』という概念がかなり強いように感じる。社会そのものが、皆が自信を持てないような仕組みになっているのかも。安全で清潔で、環境的にはとっても暮らしやすいけどね！

自分の意見を持っている人の割合も、フランスのほうがだいぶ多いかな。小さい頃からそういう教育をするからだと思う。小さい子にも、『TVではこう言っているけど、あなたはどう思う？』と考えさせるし、人間や心について深く掘り下げるような教育の機会も多いしね。哲学も高校の必須教科だよ。