WOOD氏が伝えるグラフィティアート上手くなるためコツは1つだけ! 練習あるのみ!
「僕がグラフィティを描き出したのは中1の頃です。
いとこのお兄ちゃんが今まで見たこともない、めちゃカッコイイグラフィティの本を持っていて、それに衝撃を受けたのがきっかけですね。 」
取材に答えてくれているのは、東京を中心にグラフィティアーティストとして活躍するWOOD氏だ。本来はスプレーにこだわらず何でも描くので、ペインターという肩書なのだが、今回は便宜上グラフィティアーティストとして紹介させていただく。
そもそもグラフィティとは、本来ヒップホップを構成する4大要素の一つ(DJ、MC、ブレイクダンス、グラフィティ)であり、その文化的・芸術的価値が認められている。さらに近年では、ヒップホップカルチャーの枠を超えた現代アートの一つとして認識されており、数多くの有名アーティストが存在する。
WOOD氏は大阪府出身で、もともとはダンスをやりながらグラフィティをしていたが、そのうちに描くことが本職になっていった。そのため、彼のベースはヒップホップであり、今でもヒップホップカルチャーをとても大切にしている。
「はじめはグラフィティ用のスプレー缶などないので、髪染め用の黒いスプレーで描いてましたね。 高校に入ったぐらいから真剣に描くようになりました。 」
そして彼は、ヒップホップのイベントなどで、ウォールペイントなど実践的な経験を積みながらグラフィティアーティストとしての評価を高めて行く。
グラフィティはメンタルとの戦い
「グラフィティはメンタルが強くないと良いものは描けないんです。
例えばウォールペイントは時間との戦いです。まず大勢の人が見ている前で描く必要があり、会場はそれぞれ室内だったり屋外だったり様々です。さらには環境の変化で急にスプレーが出なくなったり、天候や会場の条件が悪かったりします。それでも全然問題ないみたいな顔で、平常心でやらなくてはなりません。」
メンタルが弱いと時間内に描けなかったり、いつもどおりのクオリティが出せなどの影響がでるとのこと。
ウォールペイントの様子
「初めてのウォールペイントは時間内に描けなくて今でもそれが軽いトラウマですね笑。 」
そんな若かりし頃があった彼も今では、子どもたちにグラフィティの楽しさを教える活動も行っている。
子どもたちにグラフィティのレクチャー
「ダンスキャンプなどのレクリエーションとして、子どもたちにグラフィティの楽しさを教えるワークショップを開催しています。 ワークショップのテーマは『自分の名前をカッコよく描こう!』です。 」
「僕は描く際にどんな道具を使っていますかとよく聞かれますが、その際にはマッキー(油性マジック)と答えます。 誰でも簡単に手に入るツールで楽しむことができることを伝えたいんです。 」
小さい紙で実演してくれるWOOD氏。
「ワークショップではまずA4の紙をみんなに配り、半分に折らせます。 これは半分に折ることでワークスペースを増やすことが目的なんですが、子どもたちに言ってもあまり伝わらないことが多いので、半分に折るのは裏に写らないようにするためやと言ってます笑 。」
また、紙を手で折るなどの一見単純な動作だが、直に触れて感じてもらう行為が大切だと言う。
「その紙を更に折っていき本のようにします。 そして、その1ページ1ページにみんなでサインをしあうんです。その際に子供同士のコミュニケーションも発生するし、最後にはそれが一冊の思い出にもなります。 」
グラフィティが上手くなるためのたった一つのコツとは?
「グラフィティ(サイン)が上手くなるためのコツは1つしかありません。とにかく描くことです。考えるよりもまず手を動かす。最初はカッコイイと思ったアーティストや作品をひたすら真似してください。いきなりオリジナルなもの描くことはまず無理なので、とにかく失敗してもいいから描いて描いて描きまくってください。というかそもそも失敗なんてものもないんですけどね笑。」
将来的には地元大阪に戻って子育てがしたい
最後に、今後はどのような展望を描いているか聞いてみた。
「いまはペインターとして東京で活動をしていますが、将来的には生まれ育った大阪に戻って子育てをしたいですね。 その時は看板屋さんになって目につく物をカッコよくしていきたいです。いまは屋外でグラフィティをするには許可が必要ですが、海外みたいにフリーウォール地区(許可がいらない誰でも壁にグラフィティを描いてよいエリア)を大阪の工場地帯などに作りたいですね。 」
やはり上手くなるためには近道などなく、コツコツと練習重ねて地道に上手くなるしかないんだなと改めて実感。
自分やチームのサインを作って、世界に一つのオリジナルTシャツを作ってみるのも楽しいかもしれない。 まずはWOOD氏の言うように練習あるのみだ。
写真はイメージです。